夢見鳥

夜に意識を放ってから、朝が来て、意識がすっと戻ってくる。喉が焼けつくように痛い。最近ずっとそうだ。口内がまるでエイリアンの体表みたいに、ぐちゃぐちゃで、乾いている。

 

そんな風に朝が始まってしまうものだから、わざと不機嫌な顔をして階段を降りる。そんなことしたところで、見てくれる人なんていないのに。

 

目を閉じたまま、ただある食べ物を食う。記憶が曖昧なまま、服を着替える。愛せないまま、自転車を漕ぐ。嫌悪感にぐるぐる巻きにされたまま、脳を働かす。ここはどこかもわからないまま。なにをすれば良いのかもわからないまま。受け入れられないまま、何度も思い返そうとする。思い出せない日が続く。行動できない毎日が続いて、掴んでは離し、忘れていく。嗚呼。鳥の声を着ていたい。俺を呼ぶ声が過去から聞こえる。

 

今日はできるかな。なんて思うのも、何度目だろう。予定なんてない。飛べない鳥のまま、飛ぶ夢を見ようと、今日も夜に意識を放る。